随行 奏子 個展
逃げる

ZUIGYO Kanako solo exhibition  
I keep running away


2023年11月14日(火)から23日(祝) 
12:00から18:00  20日(月)休


KUNST ARZTでは、2年ぶりとなる
随行奏子の個展を開催します。
随行奏子は、ユーモラスに意表を突く
木彫作品を展開するアーティストです。
前回のKUNST ARZTでの個展では、
レリーフ状の半立体木彫群によるインスタレーションと、
シールやグッズを通して“作品”を考察する展開でした。
本展では、「逃げる」と題して、
アーティスト自身の逃げ続けてきた人生を、
木彫作品を通して振り返る試みです。
(KUNST ARZT 岡本光博)



展覧会コンセプト

に・げる【逃げる】
@ 追われて、つかまらないように、
相手からはなれる。「−ように立ち去る」
A 危険や自由をしばるものから、はなれる。
「津波(ツナミ)から−」
B めんどうなものに近づかないようにする。
避(サ)ける。
「たのんだが、にげられた・ぼかした表現で−」
C 正しい〈位置 / 方向〉からそれる。「腰(コシ)が−」
D 〔競技で〕追いつかれないで勝つ。逃げきる。
『三省堂国語辞典』第 7 版、三省堂、2014 より一部抜粋

2020年4月、政府は新型コロナウイルス
対策特別措置として、第1回目の緊急事態
宣言を発表。これにより、多くの人々が社会活動を
止めざるを得ない状況になりました。
この宣言のずっと前から、ほぼ ひきこもりだった私が、
世界情勢の心配、未知なるウイル
スへの恐怖、自分がこの先どうなるのかという不安よりも、
真っ先に思ったのは「これでみんなと同化できる」という
大きな安堵でした。
新型コロナウイルス感染症が第5類に移行し
(2023年7月現在)、行動制限が無くなった今でも、一人、
緊急事態宣言を続けている私ですが、社会とほとんど関わらず、
自分がわかる人とだけ付き合い、わかる物事だけに時間を
割いているのは、多くの真実から逃
げているのではないか、とも思います。
それなら自分が安心できる「みんなと同化」するための
行動を起こすなり、せめて外面だけでもそう見えるよう
取り繕えばとも思うのですが、そのためには大変な努力と
苦労を伴うため、すっかり気持ちも腰も逃げまくっています。
今の私にとって、逃げることはすっかり身近なものに
なってしまいました。考えてみると、昔から多くの事柄から
逃げてきました。進学、就職、人間関係、都合の悪いニュースや
情報、自分で決めた目標などなど。一つ一つは小さな事ですが
この逃げの積み重ねが今の私を形成しているのではないか。
それらをできる限り木彫という形で刻みつけ、皆様の前に
展示できたらと思います。



press release



ZUIGYO Kanako (b. 1980, lives and works
in HIROSHIMA pref.) is
a humorously conseptual artist using wood carving.
She graduated from the sculpture course
at Okinawa Prefectural University of Arts.




逃げる(現代アートから逃げる 2016)
2023 
クスノキ、合板、アクリル絵具、壁掛け金具
300×350×50o


逃げる(母親と向き合うことから逃げる 2019
2023 
クスノキ、合板、アクリル絵具、壁掛け金具
300×350×50o




逃げる(肩書きの無さから逃げる 2016)
2023 
クスノキ、合板、アクリル絵具、壁掛け金具




逃げる(受験勉強から逃げる 1998)
2023 
クスノキ、合板、アクリル絵具、壁掛け金具




逃げる(近所の人とすれ違いそうになるのを
横道にそれて逃げる 2008)
2023 
クスノキ、合板、アクリル絵具、壁掛け金具




つづく
TUZUKU
2023 
クスノキ、合板、アクリル絵具、壁掛け金具





以上、個展「逃げる」(2023)より




以上、個展「奥歯にずっとはさまっている」より



林に、ぬ

2012
コンクリートパネル、ペンキ
h297×w420p



略歴

1980年 広島県生まれ
2004年 沖縄県立芸術大学美術工芸学部
美術学科彫刻専攻 卒業
現在 広島県在住

個展
2021年 「奥歯にずっとはさまっている」
(KUNST ARZT/京都)
2021年 「随行奏子 木彫展」
(同時代ギャラリー Bis/京都)

グループ展
2022年 HEART2021 関連企画 県美界隈展
特別編(ギャラリー・ナカノ/山口)
2022年 第75回山口県美術展覧会
(山口県立美術館)
2022年 HEART2022 関連企画 県美界隈展
(ギャラリー・ナカノ/山口)
2020年 Gallery Land's End Collection
(Gallery Land's End /兵庫)
2019年 TURNER ACRYL GOUACHE BIENNALE 2018
(ターナーギャラリー/東京)
2019年 立体造形 2019(同時代ギャラリー/京都)
2019年 クリエイターズ・ファクトリー受賞者展
(花のれんタリーズコーヒー なんばグランド花月店/大阪)
2019年 さいころ[骰子]、または賽、dice 展
(物|事 田疇/兵庫)
2018年 立体造形 2018(JARFO 京都画廊/京都)
2018年 京都国際映画祭 2018 クリエイターズ・ファクトリー
(元淳風小学校/京都) アート部門 優秀賞
2017年 第71回山口県美術展覧会(山口県立美術館)
2016年 彫刻の五七五ー彫って刻んで 30 年展ー
(沖縄県立芸術大学資料館)
2016年 第23回木彫フォークアートおおや
(養父市立おおやホール/兵庫)
2015年 Shoe box ART 巡回展
(養泉寺・ギャラリー黎〈びぎん〉/京都)
2012年 東広島市現代美術プログラム 宇山 DNA
(東広島市河内町宇山地区/広島)
2011年 安芸西条賀茂輝的彫刻展覧会 弐
(賀茂輝酒造内/広島)
2008年 第11回岡本太郎現代芸術賞展
(川崎市岡本太郎美術館/神奈川)
2004年 木の造形ー木彫の魅力ー展
(浦添市美術館/沖縄)



聡明―台所コレクション―

2008〜2009
樟に彩色
サイズ可変



もう愛は終わってしまったの?

2011
樟に彩色
h3×w24.5×d12p












for the collection of
ZUIGYO Kanako's works