矢作 玲乃亜 個展
YAHAGI Renoa solo exhibition

HeRBariUm

2024年6月4日(火)から9日(日)
12:00から18:00


KUNST ARZTでは、矢作玲乃亜の初個展を開催します。
矢作玲乃亜は、漆を用いて、植物のフォルムに内在する
“女性美”を、細部にこだわって引き出すアーティストです。
「森の装い」(2022)では、フリルやレースなどが
あしらわれたドレスを纏っているかのような“キノコ”が3点並び、
「夜に煌めく」(2024)では、実在するきのこを抽象化して生み出した
“満天の星空を写す”夜の“キノコ”が4点並びます。
本展は、それらに新作を加え、“森のなかで見つけた輝く植物”
による作家の個人的なHerbariumです。
(KUNST ARZT 岡本光博)



アーティスト・ステートメント

私は自然に恵まれた環境で育ち、自然と対峙する中で
生物に対する愛情や探究心が芽生えました。
木々の種類や花の形への興味、また蜜を吸ってみたり、
葉笛を吹いたり、植物と触れ合うことが多かったことで、
より愛着を感じるようになりました。このように、
日常で出会う小さな生命に目を向け触れることが
私の作品の主軸となっています。また制作に当たっては、
私の中の女性のイメージも大事にしています。
みずみずしく柔らかな植物の表情や揺らぎのある葉の形などから、
植物に女性のイメージを重ねることで、有機的な曲線を意識して
制作を行っています。しなやかさ、艶やかさ、凛とした佇まいを
作品に取り入れることで柔らかな美しさを表現しようとしています。
また、素地には柔らかく形を変えやすい素材を選択し、
その温かみや手触り、しなやかさなどを
理想とする形に添わせながら表現するようにしています。
さらに漆は木の樹液であり、自然物です。
漆の艶やかな光沢には生命力を感じ、
あたかも生きている様な生々しさがあります。
そのため、漆という素材は先に述べた自身を取り巻く環境や
表現したいものに適していると考え、制作をすすめています。



PRESS RELEASE



YAHAGI Renoa (b.2000, Kyoto pref, lives and works in Kansai)
is an artist who uses URUSHI / lacquer to bring out
the "feminine beauty" inherent in the forms of plants,
paying close attention to detail.
She earned her master's degree in a URUSHI / lacquer course
at Kyoto city University of the Arts.




「森の装い」
2022
漆、色漆、和紙、木、真鍮

” 森の装い” は森で開かれるパーティーに参加する女性のイメージで、
女性が着用する衣装のディテールに着目し、フリルやレースを使った
ドレスのように仕上げた。




[moisture」
2023
漆、木、螺鈿




「夜に煌めく」
2024
脱乾漆技法、漆、螺鈿、錫粉、乾漆粉

満天の星空を写すきのこを森で見つけ宝物のように集めている様子を、
実在するきのこを抽象化して表現することで、
リズムのある曲線を意識した。




花咲く前の
2023
乾漆技法、漆、麻布、木、ステンレス




経歴

2000年 京都府生まれ
現在 京都市立芸術大学大学院美術研究科 漆工専攻在籍

展覧会歴

2022年 ボンボンマルシェvol.3 京都府亀岡市 開かれたアトリエ
2023年 生新の時2023ー漆芸の未来を拓くー 石川県輪島漆芸美術館
2023年 京都市立芸術大学 三人展 THE THOUSAND KYOTO




「靭葛」
2021
乾漆技法、漆、色漆、麻布、和紙、木、真鍮
38 ×36×13cm