Self-portrait V
<detail>
2021
コピー紙、顔料インク、綿糸
1230×90mm



田代 葵 個展
TASHIRO Aoi solo exhibition

Portrait of a City

2022年2月8日(火)から13日(日)
12:00から18:00

KUNST ARZT では、田代葵の個展を開催します。
田代葵は、織る行為を通して、
現代社会に対峙、考察するアーティストです。
膨大な数のレシートが織り込まれた作品は、
アーティスト自身の消費生活の記録でもあり、
また感熱紙のレシートが経年変化で消えていく過程は、
巨大な資本システムに飲み込まれていく様でもあります。
本展では、レシートを織り込んだ
「セルフポートレイト」としての連作の他、
メインルームに「都市のポートレイト」を展開します。
ご注目ください。(KUNST ARZT 岡本光博)



展覧会コンセプト

都市で働きまた消費者として暮らしながら、
なにか巨大なシステムに組み込まれながら
生活しているように感じることがある。

時間通りに電車がくる。
画面上の操作で欲しいものが手に入る。
駅前のゴミはいずれどこかに消え去る。
道路に占拠された
" ガス管点検のためご迷惑おかけします "
の看板。
どこかで作られパックに詰められ、
そして値引きされたお惣菜。


それを私たちは当たり前の風景として見ている。
しかし、そこにはいつの間にか見えなくなっている、
人の営みが存在している。
私はその誰かの営みによって
完全に仕上げられた上に存在し、
またこぼれることの無いようにと
その営みの中へ加わっている。

レシートは消費活動の履歴であり、
同時に労力が買われた履歴でもある。
そしてその感熱紙にプリントされた文字は
消えやがて一枚の紙切れになっていく。


より合理化されることで、背後にいる人の存在に
視線が向けられなくなっているように感じる。
労力は代替することができても
ひとりひとりを代替することはできない。

都市で生きるということは自分の弱さ、
無力感を自覚することと切り離せないように思う。
どれだけ世の中が便利になっても、
我々が当たり前だと思っているものは
強靭なシステムで はなく、
人々の働きかけで成り立っている
とても繊細な世界なのかもしれない。

レシートを織り重ねていくことで
システムの背後に存在する人々の営みを可視化したい。


PRESS RELEASE



TASHIRO Aoi (b.1994, Hyogo pref.) is an artist
who considers modern society through the act of weaving.
The huge number of woven receipts is also a portrait of herself.
She earned her MA in department of crafts i
n Kyoto city University of the Arts.




Self-portraitY
2021
レシート、顔料インク、綿糸
h33×w29 cm

アーティストステートメント

現代において織るという行為は
どういった意味を持 つのだろうか。
技術や装飾性、機能性や生産性
といった文脈から一 度離れ、
織る事が自身にとってどういった
意味を持つのかという事について考えたい。
そして、兼ねてから長く私たちの生活と
密接に結びついてきた織り物を通して、
自身と社会との関係性について見つめ直したい。




Self-portrait TUV
2021
コピー紙、顔料インク、綿糸
123×90cm each


これらの作品は日々消費したものの
履歴であるレシートを織り積み重ねていくことで、
自身の姿を再構成する試みである。
新型コロナウイルスの影響により働き方や
人種に関する問題が浮き彫りになってきたように思う。
そんな中で毎日数分間自身と向き合うということが、
このような時代を生き抜くための
穏やかな手段になるのではないだろうか。



経歴

1994 年 兵庫県神戸市 生まれ
2020 年 京都市立芸術大学大学院
美術研究科工芸専攻染織 修了

個展
2019 年 「Weave」大枝土蔵 (京都)
2021 年 「Self-portrait」
DESIGN FESTA GALLERY (東京)

グループ展他
2015 年 グループ展「カドデ展」 ぎゃらりぃ西利 (京都)
2017 年 コンテンポラリーテキスタイルコンペディション
ギャラリーパウゼ (東京)
2018 年 つながる糸、ひろがる布
-三大学染織専攻学生選抜展-
ギャラ リー@KCUA (京都)
2018 年 ホリエナオ 田代葵 2 人展
京都市立芸術大学小ギャラリー(京都)
2019 年 IAG AWARDS 2019
東京芸術劇場 gallery1&2(東京)
2019 年 つながる糸、ひろがる布
-三大学染織専攻学生選抜展-
金沢学生の町文化会館(金沢)




Self-portrait
2020
コピー紙、顔料インク、綿糸、直接染料、水糸

スマートフォンの普及に伴い、
一人当たりの得る情報量が以前にくらべ増えたように思う。
その結果、多くの情報の中から
瞬時にひとつを選択させるための視覚的な操作により、
考える前に自身の意識が
コントロールされているように思うことがある。
画面の中の視覚的な事実に操作されるだけでなく、
自身が主体となり受け取る情報について、
思考することが今後より必要とされてくるのではないか。