久保 尚子 個展
KUBO Naoko solo exhibition

一瞬の風を紡げば
Weaving the wind of a moment

2025年7月15日(火)から20日(日)
12:00から18:00

KUNST ARZT では、久保尚子の初個展を開催します。
久保尚子は、漆の艶と質感を生かし、
動物のしなやかな身体の動きや空気の流れを
可視化するアーティストです。
大胆過ぎるデフォルメは体の構造さえ欠落する
箇所も出てきますが、力強さやスピードといった
生き生きした野生としての生命力が
美しい漆の仕上げと相まって、独特の世界観を
構築しています。本展ではキツネ、リス、鹿、ウサギ、
羊といった5種類の動物たちをご覧いただけます。
また宙漆(そらうるし)プロジェクトへの参加によって
漆表現の可能性を探求しています。
(KUNST ARZT 岡本光博)



展覧会コンセプト

漆は、塗り重ねることで生まれる深みのある透明感や、
温もりを感じさせる光沢が特徴の素材である。
私は、伝統技法である呂色仕上げの美しい艶を活かしつつ、
独自の造形表現を探求してきた。
なかでも、動物のしなやかな身体の動きや、
そこに生まれる空気の流れを可視化することをテーマに、
漆の滑らかな艶と質感が引き立つ
曲面的なフォルムを追い求めている。
本展では、そうした動物たちの姿を一堂に集め、展示を行う。



アーティスト・ステートメント

私は、身体が「ここに存在する」と
実感できる瞬間に心を動かされる。
それは、観察を通して感じ取ることのできる曲面や曲線、
動作に応じて変化する空気や水の流れ、
光が生み出す影、静寂の中で聞こえるかすかな音ー。
私は、そうした些細な事象を拾い集め、
漆ならではの艶や温もりを活かしながら、
それらを作品へと昇華したいと考える。


PRESS RELEASE


KUBO Naoko (b.2001, Kyoto pref, lives and works in Kansai)
is an artist who uses the luster and texture of URUSHI
to visualize the supple body movements of animals
and the flow of air. She is an active graduate student
in URUSHI course at Kyoto city University of the Arts.




体温の歩幅
Temperature of step
2024年
漆、錫梨地粉、石粉粘土、発泡スチロール、金属棒、エポキシパテ
W20cm×D32cm×H46cm
小さな歩幅で軽快に動き回るリスの姿を表現した。





姿
Shape
2023年
漆、発泡スチロール、石粉粘土、木材、金属棒
W23p×D25p×H75p 
重厚感のある柔らかな身体を、細身な足で支える鹿の立ち姿を表現した。



経歴

2001 京都府生まれ
2024 京都市立芸術大学美術学部工芸科漆工専攻 卒業
京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻漆工細目 在籍

展覧会歴

2023 THE WESTIN ART CHRISTMAS2023
(ウエスティン都ホテル京都)
2024 ビビビ 工・芸・美!!(京都伝統産業ミュージアム)
2024 京都烏丸六角アートプロジェクト展
(チャームプレミアム京都烏丸六角)
2024 漆芸の未来を拓く 大学交流2024(金沢美術工芸大学)
2024 宙漆 -成層圏を映す-(名古屋大学・愛知)
2024 第66回宝塚市展(宝塚市立文化芸術センター・兵庫)
2025 京都市立芸術大学作品展(京都市立芸術大学・京都)

受賞

2023 京都市立芸術大学作品展 平館賞
2024 京都市立芸術大学作品展 奨励賞
2024 京都烏丸六角アートプロジェクト展 特別選出
2024 第66回宝塚市展 奨励賞





Rou
2023年

漆、PLA、ネジ
W12.5p×D11.5p×H6.5p  
宙漆(そらうるし)プロジェクトにて
高度30kmの成層圏へと輸送した。
磨き上げた漆黒の塗面に青い地球が映りこんでいる。