岸田めぐみ 個展
KISHIDA Megumi solo exhibition

思考するめがね
Glasses thinking

2018年2月20日(火)から25日(日)
12:00から18:00

KUNST ARZTでは、岸田めぐみの個展を開催します。
岸田めぐみは、主にメガネのフレームに、
日常の些細な感情や感動をカラフルな
糸で織り込むアーティストです。
生き生きと生い茂る緑の風景が、
メガネのレンズ部分に映り込んだように表現した
「in the green(2017)」では、装着することで、
こちらが生い茂る植物の中から覗いている
ような視界が広がり、「夜ふけの雨(2016)」では、
夜に雨が傘に当たるやさしい音や、時おり光に照らされる
しずくの軌跡を、傘に糸を織り込むことで表現しました。
本展は、彼女の代名詞でもある、メガネのフレームに
カラフルな糸を織り込むシリーズの新展開の構想です。
ご注目ください。
(KUNST ARZT 岡本光博)




in the green

2017
めがね・糸



アーティスト・ステートメント

 作品を制作することは、
日常をすごすなかで生まれた些細な感情や
感動を、忘れないよう記録する行為を意味します。
莫大なものことや情報にあふれた現実において、
この行為はごく小さな自分の存在を埋もれ
流されないようにするためのものです。
「自分はここ(現実)にいて、生活している」という
確たる痕跡を残すために、
身近な日用品に自分の些細なことを記録しています。
 作品の構想は、日用品を探してから連想ゲームのように
考えていきます。日用品と関係のあるできごとを思い出し、
印象に残ったことを作品のデザインとして描き起こし、
織っていきます。
 イメージの表現手段には糸を使います。
糸は織り・編み・縫い物や、結んで装飾したり、
物を支える助けに使われたりなど、日常に深く
浸透していて、自分にとてもなじみがあります。
作品をつくるにはいろんな表現方法がありますが、
自分に身近なもの−糸と日用品−を使う方法が、
自分の感覚をもっともみずみずしくリアルさをもって
表現できるような気がします。




夜ふけの雨

2016
傘・糸

これは、かつて存在した雨の時間を焼き付けた作品です。
夜の雨は、闇の中でははっきりとは見えませんが、
降り落ちてものに当たる音は耳にやさしく、
時おり光に照らされるしずくの軌跡にはいろんな線の
かたちがあって見ていて飽きません。
しかし、この魅力的な時間は、雨がやんで乾いてしまえば
あとかたもなく現実からなくなってしまいます。
作品に留めることで、いつでもどこでも
この時間を忘れずにいたいと思います。




my home

2016
虫かご・糸

虫かごを家に見立てたシリーズの一つ。
ある日、かわいらしいフォルムの虫かごを見つけたとき、
ここを生き物にとって安らぎの時間を過ごすことのできる
家にしたいと思いました。虫かごの網目に何気ない日常の
風景を縫いこみ、穏やかでリアリティを持った家をつくりました。



経歴

1988年 大阪府出身
2013年 大阪芸術大学大学院 博士課程
芸術制作分野工芸領域 染織修了

個展
2016「きらきら さやさや」 (MU東心斎橋画廊)
2016「縫うように 織るように」 (ギャラリーギャラリーEX)

グループ展ほか
2011「どっぷり船場 じっくりアート展2011」
(ドットアートコスモギャラリー)
2012「2012京都美術工芸ビエンナーレ」(京都文化博物館)
2012「オリリズムU」part2(ギャラリーマロニエ)
2012「どっぷり船場 じっくりアート展2012」
(辰野ひらのまちギャラリー)
2012「The7th From Lausanne To Beijing
International Fiber Art Biennale」
(中華人民共和国/Nantong1895 Cultural Industry District)
2013「ハンサムウーマン19展」(染 清流館)
2013「キテ・ミテ 中之島」‘12、‘13出品
(京阪中之島駅構内)
2013「京展」‘11〜‘13出品(京都市美術館)
2013「全関西美術展」‘11、‘13出品
(大阪市立美術館)
2014「コンテンポラリーミニテキスタイル展」
(ギャラリースペースパウゼ)
2015「染織tomorrow 7大学推薦 若手の饗宴」
(ギャラリーマロニエ)
2016「第55回日本クラフト展」(東京ミッドタウン デザインハブ)
2016「2・5次元 −絵画考−」(ギャラリーマロニエ)
2016「繊維のカタチ」(ギャラリースペースパウゼ)
2017「small works 卓上の風景展」
(伊丹市立工芸センター展示室B)
2017「ワンダーシード」‘14〜‘17出品
(トーキョーワンダーサイト渋谷)
2017「テキスタイル自由形」(ギャラリー梧桐)
2017「2・5次元 −絵画考− FINAL」(ギャラリーマロニエ)
2017「FIBER ART FAIR 2017
」(ソウルアートセンター・ハンガラム美術館)
2017「12人のしつらい展」(祇をん小西)





とっとくシリーズ「半熟卵」
2016
茶こし・糸

とっとくシリーズ「イチジク」
2016
茶こし・糸

タイトルの「とっとく」は「保存する、残す」を
意味する「取っておく」の派生語から。
食事中、好きな食べ物は、できるだけ保存して
楽しみの時間を少しでも長く持続させたい。
逆に嫌いなものは食べずに残しておきたい。
けれども物理的理由(…長時間おいたら腐ってしまったり、
他の食物と混ざり合っていて取り除けない場合)や
状況的理由(…人と食事をするときに、
残すと見栄えが悪く相手の気分を害してしまう場合)
などから、それがかなわない時があります。
現実でかなわない願望を、身近にあるもので
少しだけ、形にしたのが本作です。