井上 結理 個展
INOUE Yuri Solo Exhibition

私への物語
Who am I ?

2023年7月1日(土)から9日(日) 
12:00から18:00 月曜日休み

KUNST ARZT では、2年振り、5度目となる、
井上結理の個展を開催します。
井上結理は、日常生活の中から一場面を抽出し、
生きていることについて考察するアーティストです。
本展は、ライフワークとして17年間以上継続している、
脱ぎ捨てた衣類を俯瞰で撮影した
写真の連作「ヌケガラ」を生物化学的な
視点で分析、展開する試みです。
(KUNST ARZT 岡本光博)



PRESS RELEASE



展示会コンセプト

私への物語
この作品は、
脱ぎ捨てられた私自身の衣服に付着した体液からDNAを抽出し、
ATGCの四文字からなるその塩基配列を物語として表現した
私の本である。
今まで、自分自身の存在をヌケガラという作品で表現し、
日々その痕跡を生み出してきた。
今回は、私自身を産み出してきた証について表現した。
私が存在していた(識別)唯一の核について形にすることで、
自分という人間について知ることができ、
30億個の配列からなる識別された膨大な文字の並びから
私という一つの証明が得られた。
この永遠と続く文字(配列)、その積み重なった様が
私への物語を思い起させた。
この作品は、果てしない物語の一ページ目である。



アーティスト・ステートメント

人間は普段、いろんな物を無意識に使って生活している。
人間が特に意識せずに物を使うことができるのは
物に対して知覚的な記憶(経験)を
蓄積しているからだと考えられる。

また人間は身体の行動においても
無意識に行っていることが多くある。
朝起きてから家を出て帰って眠るまで、
または眠る事も含めて、人間は全ての行動を
自らの意識でコントロールしている訳ではない。

記憶するという人間に備わった機能を巧みに使って、
日々の生活に登場する物や行動を
記号化して私たちは生活している。
おそらく、全てを考えて行動するというのは
極度の負担であり
その負担を回避して過ごせるように。

写真や絵画あるいは空間的に改めて表現として
切り取られ提示されたとき物や
行動は記号化から解除される。
「そこに人間は何を思うのか」
これが私の興味であり、制作への動機となっている。



INOUE Yuri (b.1999, Kyoto) is a conceptual artist
who has been photographing
her own off clothes every day for 15 years.
She earned her MA in Painting Course
in the Kyoto Seika University.





NUKEGARA#5
2022




以上、個展「NUKEGARA#4」「 I am I」 2021より
by OFFICE MURA PHOTO




京都新聞 2021年5月29日
高嶋慈さんによる展評



以上、個展「Ph」 2019より
by OFFICE MURA PHOTO




個展「μmの生命」2016より







またたく 

2015
素材 アクリル板 リノシート 
プロジェクター 映像
撮影 井上結理
編集 唐津正樹



以上、個展「またたく」2015より





アーティスト ステートメント

人間は普段、いろんな物を
無意識に使って生活している。
人間が特に意識せずに
物を使うことができるのは
物に対して知覚的な記憶(経験)を
蓄積しているからだと考えられる。

また人間は身体の行動においても
無意識に行っていることが多くある。
朝起きてから家を出て帰って眠るまで、
または眠る事も含めて、
人間は全ての行動を自らの意識で
コントロールしている訳ではない。

記憶するという人間に備わった機能を
巧みに使って、
日々の生活に登場する物や行動を
記号化して私たちは生活している。
おそらく、全てを考えて行動するというのは
極度の負担であり
その負担を回避して過ごせるように。

写真や絵画あるいは空間的に
改めて表現として切り取られ提示されたとき
物や行動は記号化から解除される。
「そこに人間は何を思うのか」
これが私の興味であり、
また制作への動機となっている。



経歴
1985 京都に生まれる
2007 京都精華大学芸術学部造形学科洋画分野 卒業
2009 京都精華大学大学院
芸術研究科博士前期課程 卒業

個展
2022 「NUKEGARA#5」 ゴロゴロ 京都
2021 「NUKEGARA#4」 「I am I」 KUNST ARZT 京都
2019 ph (KUNST ARZT)
2016 μmの生命 / Microbes make a "macro" world.
(KUNST ARZT/京都)
2015 またたく (KUNST ARZT)
2013 カーテン(画箋堂 3F/京都)
2010 ヌケガラ #2(立体ギャラリー射手座/京都)
2009 MOTHER(石田大成社ホールoIBC/京都)
    はだいろ( 7-23ギャラリー/京都)
抱擁( 7-23ギャラリー/京都)
2007 壁( 7-23ギャラリー/京都)
ブラウン管( 7-23ギャラリー/京都)
2006 ヌケガラ #1( 7-23ギャラリー/京都)

グループ展
2019 Artist-in-residence 2019
Janus Kamban House フェロー 諸島
2018 ART RAINBOW PROJECT 2018
(ロストック市美術館/ドイツ)
2015 Face Forward (KUNST ARZT)
2014 カレント展 (京都市美術館別館/京都)
2014 第二回 大竹翼展(ジャルフォ/京都)(ギャラリー素)
2013 第一回 大竹翼展(ジャルフォ/京都)企画賞受賞
2011 HOSOMI TO CONTEMPORARY 004 
-too contemporary art lab(細見美術館/京都)
2011 源平屋島現代美術展 
東北地震支援プロジェクト(香川)
2008 Changwon Asian Art Festival
(アジア芸術祭/韓国)
2008 M1展(ギャラリーフロール/京都)

自費出版 2008『対論』(柏原えつとむゼミナール)

Collection
ロストック市美術館 ドイツ

http://inoueyuri.com/




ヌケガラ cast off skin
2010

私は、一日の終わりに自分が脱いだ服を
写真によって記録し続けており、
この作品「ヌケガラ」はそのようにして
蓄積された写真によって構成されています。
作品は、全て写真で制作されており、
空間を全て利用し一点一点という見せ方ではなく
何点もあることでこのヌケガラという作品は成立します。
乱雑に脱ぎ捨てられた衣服は、
時にはまるで脱皮した生き物のヌケガラのように
見えることがあり、
またそれは自身が人である証を
見つけ出す重要な場でもあるように思います。
服を脱ぐという行為は本来極めて
個人的かつ日常的なものです。
しかしたとえこのような些細な
日常のルーチンの中からでも
人間は自分が生きている証を
見つけ続けるべきです。
服を脱ぐという行為は、床で行われることが多く
床に設置する事でより作品が
身近に感じとれる展示です。














pH
2019
写真 
\ 70,000

collection for
other INOUE Yuri's works